太山寺で頂いたホトトギスを植えた鉢の横に、水引草が元気よく伸びていました。
はじめてその草を見かけたのはあまねくんの生まれる前で、
空っぽの鉢に生え出した雑草かと、ひっこ抜いてしまおうと思いましたが、
見覚えのある葉のような気もし、
これは抜いてはいけないというような元気さが葉の色にも厚みにも感じられて、
そのままにしておきました。
そして猛暑や豪雨や台風が過ぎ、
ふと気がつくと、水引草のあのひゅっと伸びる鞭のようなものが何本か出ていて、
鈍感なぼくはやっと、あ、水引草だったかと知りました。
数年前、まだ長女もいなかった頃、
妻と義母と3人で長野に旅行しました。
上田市の前山寺で、ホトトギスの花の鉢が売られていて、それを義母が買ってくれたのですが、
それが毎年きれいな花を咲かせてくれるので楽しみにしています。
(何年か後に太山寺で分けて頂いたホトトギスとは品種が違って、花の色や葉が異なります。)
その長野の前山寺のホトトギスの鉢に寄せて、
義母が戸隠の道端で採ってきた水引草を植えていて、
これがまた毎年紫のホトトギスに小さくてきれいな赤を点じてくれます。
そして立原道造の有名な詩を思い出させてくれるのです。
詩のことばでしか知らなかった植物を目の当たりにして、
こちらの夢もどこかへ帰っていくような気がします。
ただ、こちらは元気よく茂るホトトギスに押されて、
わずか二株で、暑い日が続くと葉っぱも枯れがち。
雑草だと思って引っこ抜こうとした時に、
見覚えがある気がしたのは、
この少し貧弱なホトトギスの葉のかたちでした。
元気な力強い「雑草」があの立原道造の詩に歌われた水引草だと、
そして毎年きれいな赤をホトトギスに添えてくれるあの花だと気づいたとき、
引っこ抜かなくてよかったと嬉しく思ったのでした。
自分こそ雑草かもしれないのに、
ぼくは自分の「限られた」知識と価値判断に基づいて取捨選択をして、
日々知らぬ間に「雑草」を抜いているのです。
先輩の水引草と、立原道造の詩が今回の選択を助けてくれました。
義母によると水引草はそれこそ「雑草」のように増えて繁茂するそうで、
それを聞いて、そういえば、と、
長野の道端で見た水引草の茂る光景を思い出しました。
日の光を浴びて、
たくさんの水引草はどれも美しく輝いて見えました。
夢はいつもかへって行った 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへった午さがりの林道を
― 立原道造 「のちのおもひに」より
はじめてその草を見かけたのはあまねくんの生まれる前で、
空っぽの鉢に生え出した雑草かと、ひっこ抜いてしまおうと思いましたが、
見覚えのある葉のような気もし、
これは抜いてはいけないというような元気さが葉の色にも厚みにも感じられて、
そのままにしておきました。
そして猛暑や豪雨や台風が過ぎ、
ふと気がつくと、水引草のあのひゅっと伸びる鞭のようなものが何本か出ていて、
鈍感なぼくはやっと、あ、水引草だったかと知りました。
数年前、まだ長女もいなかった頃、
妻と義母と3人で長野に旅行しました。
上田市の前山寺で、ホトトギスの花の鉢が売られていて、それを義母が買ってくれたのですが、
それが毎年きれいな花を咲かせてくれるので楽しみにしています。
(何年か後に太山寺で分けて頂いたホトトギスとは品種が違って、花の色や葉が異なります。)
その長野の前山寺のホトトギスの鉢に寄せて、
義母が戸隠の道端で採ってきた水引草を植えていて、
これがまた毎年紫のホトトギスに小さくてきれいな赤を点じてくれます。
そして立原道造の有名な詩を思い出させてくれるのです。
詩のことばでしか知らなかった植物を目の当たりにして、
こちらの夢もどこかへ帰っていくような気がします。
ただ、こちらは元気よく茂るホトトギスに押されて、
わずか二株で、暑い日が続くと葉っぱも枯れがち。
雑草だと思って引っこ抜こうとした時に、
見覚えがある気がしたのは、
この少し貧弱なホトトギスの葉のかたちでした。
元気な力強い「雑草」があの立原道造の詩に歌われた水引草だと、
そして毎年きれいな赤をホトトギスに添えてくれるあの花だと気づいたとき、
引っこ抜かなくてよかったと嬉しく思ったのでした。
自分こそ雑草かもしれないのに、
ぼくは自分の「限られた」知識と価値判断に基づいて取捨選択をして、
日々知らぬ間に「雑草」を抜いているのです。
先輩の水引草と、立原道造の詩が今回の選択を助けてくれました。
義母によると水引草はそれこそ「雑草」のように増えて繁茂するそうで、
それを聞いて、そういえば、と、
長野の道端で見た水引草の茂る光景を思い出しました。
日の光を浴びて、
たくさんの水引草はどれも美しく輝いて見えました。
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